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「フラット35S」金利1%優遇から1年経過、利用は前年比2.4倍に、着工後押し

住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35S」の金利優遇幅拡大から、2月15日で1年を迎える。
政府が経済対策の一環として実施した政策。
同機構からの融資により増加した住宅着工数が、昨年1年間に増加した全体の数字とほぼ重なる。
2010年の新設住宅着工戸数は、前年を2万4716戸上回る81万3126戸だった。これを資金別に見た場合、民間金融機関からの融資増加分は678戸(69万58戸→69万736戸)だったのに対し、住宅金融支援機構(フラット35・フラット35S)の増加分は2万1794戸(3万9897戸→6万1691戸)に上った。その他の資金体系もあるが、支援機構の増加分が全体増加分とほぼ一致する。絶対数では民間の割合がまだ高いが、国土交通省では、「フラット35Sが、着工戸数の相当数引き上げに貢献したといえる」と話す。

2010年は、フラット35全体の利用申請が大幅に伸びた。支援機構に寄せられた申請件数は、2009年比145.1%増となる16万3994件。その中でも、フラット35Sの割合は82%(13万5125戸)で、2009年の41%(2万7776戸)と比べてほぼ倍の割合となった。

結果的に、フラット35Sがフラット35全体を押し上げた格好だが、その大きな要因が「10年間の金利1%優遇」。これまでの「0.3%優遇」を時限的に拡充したものだ。支援機構でも、「優遇幅拡大が、消費者から大きな関心を寄せられることにつながった」と話している。

金利優遇以外に、販売を進める上で有利な副産物も生まれた。より多くの消費者から、該当するマンションが「優良な物件」と認識されるようになったことだ。フラット35Sを利用できるマンションの建築基準(優良基準)はこれまでと変わりないが、金利優遇の拡大でフラット35S自体に目が向けられ、「優良基準」という本来の制度内容が広まっているようだ。

逆に、利用できない場合、「なぜなのか?」と質問されるケースも増えているという。

また、分譲マンションと違って、建築仕様(基準)を個人の判断で決められる注文住宅の場合、よりメリットが感じやすくなる。

中でも、もともと建築仕様が高いメーカーの場合、わずかな仕様アップでフラット35Sを利用でき、施工費アップ以上に大きなメリットがあることがダイレクトに分かる。

たとえば、最新金利(2.55%=最頻値)で見た場合、3000万円を期間35年で借りた場合の「フラット35」と「フラット35S」の総支払額は、後者の方が310万円抑えることができる。数十万円の施工費アップならば、十分過ぎるほどおつりが出る金額だ。消費者にとっては、より質の高い住宅を少ない支出で建てることができ、事業主にとっても、受注高を上乗せできるメリットが生まれる。

需要と供給の両サイドからの高い支持により、2010年12月までだった当初の優遇拡充期限を、1年延長することが決まった。「優遇期間が終わり、金利がアップする11年目以降、支払えなくなる人が増えるのではないか」という心配も聞こえるが、「審査基準が厳しくなっている」(分譲会社のローン担当者)など、支援機構側も対応を心掛けているようだ。

住宅新報社:2011年2月15日


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